PROJECT V / CONFIGURATION GLOSSARY

V2Ray用語集
プロトコル・コア・トラフィック振り分け

v2rayNやv2rayNGで見慣れない設定に出会ったら、まずどの層の項目かを確認しましょう。ここではよく使われる概念を6分野に分けて解説します。各用語カードは、見出し横のリンクから個別に開けます。

PROTOCOL

プロキシプロトコル

プロトコルは、クライアントとサーバーがプロキシ要求をやり取りし、認証する方法を定めます。同じプロトコルを選ぶことは出発点にすぎず、トランスポートやセキュリティの設定も一致させる必要があります。

VMess
Project Vのエコシステムに属するプロキシプロトコルで、ユーザー認証とデータ保護の仕組みを備え、設定にはUUIDなどの項目がよく使われます。クライアントとサーバーで同じプロトコルを選ぶだけでなく、トランスポート方式とセキュリティ設定も一致させてください。デバイスの時刻のずれが認証に影響する場合があります。接続できないときは、ローカルのプロキシポートを何度も変更するのではなく、自動時刻設定を確認しましょう。
VLESS
プロキシプロトコルと基盤となるセキュリティ機構を分離した軽量プロトコルで、TLSやREALITYと組み合わせて使われます。一般的な設定では外側の仕組みが通信を保護するため、名称だけで接続全体の暗号化方式を判断できません。新しい拡張機能が使えるかどうかも、双方のコアのバージョンによります。インポート後はサーバーアドレスだけでなく、UUID、トランスポートの種類、セキュリティの種類、flowも確認してください。
Trojan
通常はTLSで通信を保護し、パスワードで認証するプロキシプロトコルです。パスワードが正しくても、他の設定が正しいとは限りません。サーバー名、証明書の検証、トランスポート設定も接続に影響します。証明書関連のエラーが出た場合は、ドメイン、デバイスの時刻、サーバー証明書をまず確認し、証明書検証の無効化を常用しないでください。
Shadowsocks / SS
暗号化プロキシプロトコルの一種で、クライアントでは通常SSと略されます。設定ではサーバー、ポート、暗号化方式、鍵を確認します。派生方式によって鍵の形式やコアの対応状況が異なるため、見慣れた選択肢に安易に変更しないでください。インポートできない場合は、まず方式を特定し、クライアントのバージョンと共有形式を確認しましょう。

CORE & PROJECT

コアとプロジェクト

クライアントは操作画面を提供し、コアは接続を実行します。プロジェクト間の関係を理解すると、設定が実際に使えるか判断しやすくなります。

Project V
V2Rayの起源に関連するプロジェクトやツール群を指す概念で、組み合わせ可能なプロキシ、トランスポート、ルーティング機能を重視しています。GUI付きのインストーラーでも、VMessの別名でもありません。資料を読む際は、プロジェクトのエコシステム、個別のコア、コアを管理するクライアントのどれを指すのか確認し、異なる層の機能を混同しないようにしましょう。
V2Fly
V2Rayの開発を引き継ぐコミュニティプロジェクトで、独自のコアと設定機能を保守しています。v2flyNGは主にこのコアを基盤としていますが、クライアントの設定名とコアの設定項目が一字一句対応するとは限りません。V2FlyとXrayは別々に開発されているため、プロトコル拡張やトランスポートの対応状況は実際のバージョンで確認してください。完全に共通して使えるとは限りません。
Xray
V2Rayから派生したプロキシコアプロジェクトで、プロトコル処理、トランスポートのセキュリティ、ルーティングなどを担います。v2rayNGでは一般にこのコアが使われます。REALITYなどの機能は、Xrayの具体的なバージョンと設定に応じて確認してください。GUIに項目が表示されていても、実行中のコアが対応しているとは限りません。トラブル時はクライアントとコアの両方のバージョンを記録しましょう。
プロキシコア
ローカルの待ち受け口を開き、プロキシ要求を処理し、ルーティングを実行してリモートサーバーに接続するプログラムです。v2rayNのようなGUIクライアントは設定の管理、起動パラメーターの生成、ログの表示を担い、実際の処理はコアが行います。画面上で起動していてもコアの起動に失敗すればプロキシは動作しません。画面のスイッチより、実行ログに記録された起動結果を確認しましょう。

TRANSPORT & SECURITY

トランスポートと偽装

設定画面ではトランスポート方式とセキュリティの種類が隣り合っていることがありますが、役割は異なります。どちらかを変更するときは、サーバー側の設定にも合わせてください。

TCP
順序が保証された信頼性の高いバイトストリームを提供し、再送、順序制御、輻輳制御などの基礎的な処理を担うトランスポート層のプロトコルです。クライアント設定にあるTCPやrawという名称は、コアのバージョンに応じて解釈してください。暗号化のオン・オフを切り替える項目ではありません。この方式を選んでも、TLSやREALITYを使うかどうかは別途確認が必要です。信頼性の高い転送と安全な転送を混同しないようにしましょう。
WebSocket / WS
通常はHTTP Upgradeで確立する双方向通信方式で、プロキシ設定ではトランスポートとして使えます。よく使われる項目にパスやHostがありますが、TLSのサーバー名は別の層に属します。ハンドシェイクに失敗した場合は、パス、リクエストヘッダー、リバースプロキシ、証明書を個別に確認してください。ドメインに関する項目をすべて同じ値にする必要はありません。
gRPC
HTTP/2をベースにしたリモートプロシージャコールのフレームワークで、一部のプロキシコアがトランスポートとして利用します。クライアントのサービス名はサーバー側と一致させ、前段のリバースプロキシも必要なHTTP/2転送に対応している必要があります。接続後に切断が繰り返される場合は、認証情報に加えて、中継機器のアイドルタイムアウトや接続維持の設定も確認しましょう。
REALITY
Xrayエコシステムのトランスポートセキュリティ機構で、VLESSの接続設定でよく使われますが、VLESSと同列の別のプロキシプロトコルではありません。認証情報、サーバー名、shortIdなどはサーバー側の指定に合わせて入力してください。項目名はバージョンによって変わることがあります。Vision flowとは別の設定なので、インポート時はそれぞれ個別に確認し、代用しないでください。

ROUTING

ルーティングとトラフィック振り分け

まずトラフィックをどの方法でクライアントに取り込むかを決め、次にどの出先へ送るかを決めます。トラフィックの取り込み方法とルーティング方針は別の設定です。

ルーティングルールとトラフィック振り分け
ドメイン、IP、ポートなどの条件に応じて、接続の出先を直結、プロキシ、ブロックなどから選ぶ仕組みです。ルールは通常、上から順に照合されるため、範囲の広いルールが先にあると、後の細かいルールに適用されない場合があります。ドメイン判定の方針、DNSの結果、デフォルトの出先も最終的な判断に影響します。ルール名だけで、すべてのアクセスが同じ経路を通ると判断しないでください。
GeoIP
地域などのラベルごとに分類したIPアドレスの集合で、ルーティング時に宛先IPを照合するために使います。データセット上の分類を示すもので、サイトの言語や事業上の所属、正確な地理的位置を表すものではありません。動的IPアドレスやコンテンツ配信サービスを使うサイトでは、ドメインルールもあわせて確認してください。データファイルがない、ラベルが誤っている、長期間更新されていない場合も、想定どおりに照合されないことがあります。
GeoSite
サービスや用途などのラベルごとに整理されたドメインの集合で、特定カテゴリのサイトにルーティング方針を適用するのに便利です。GeoIPの別名ではありません。機能するには、コアがドメイン情報を取得でき、該当ラベルを含むデータファイルを読み込んでいる必要があります。サイトがルールに一致しない場合は、クライアント画面を更新するだけでなく、実際のリクエスト先ドメインとルールの内容を確認しましょう。
TUNモード
仮想ネットワークインターフェース経由でIPトラフィックを受け取り、処理する接続方式です。システムプロキシを参照しないアプリの通信も扱えるため、よく使われます。実際に取り込まれる範囲は、システムルーティング、DNS、権限、クライアントの実装にも左右されます。スイッチをオンにすれば、すべての通信が自動的に想定どおり処理されるわけではありません。有効化後に名前解決の異常やループが起きた場合は、ルーティングの除外設定と他の仮想ネットワークツールとの競合を確認してください。
システムプロキシ
OSのプロキシ設定をクライアントのローカル待ち受け口に向け、対応するアプリでプロキシを使えるようにします。独自のネットワーク設定を持ち、システムプロキシを参照しないアプリもあります。ブラウザーでアクセスできても、他のプログラムが同じ経路を使っているとは限りません。クライアント終了後にWebページへ接続できなくなった場合は、システムプロキシが停止済みのローカルポートを参照したままになっていないか確認してください。

SUBSCRIPTION & CONFIGURATION

サブスクリプションと設定

サブスクリプションは設定一式を配布し、共有リンクは通常、個別の接続設定を表します。インポートに成功した後も、コアの対応状況とローカルの動作設定を確認してください。

サブスクリプション
1つのURLから接続設定一式を取得・更新する配布方式です。クライアントは、そのURLから返されるデータ形式に対応している必要があります。サブスクリプションURLとWebサイトのログインURLは別のものです。更新に成功しても、すべての設定で接続できるとは限りません。URLに個人用のアクセス情報が含まれることがあるため、スクリーンショットやログ、設定を共有する際はURL全体を隠してください。
ノード
クライアントで、リモート接続の設定1件を指す一般的な呼び名です。通常、サーバーアドレス、ポート、プロトコル、認証、トランスポート、安全性に関する設定が含まれます。表示名はメモにすぎず、サーバーの実際の所在地や接続品質を示すものではありません。表示名が異なっても同じサーバーにつながる設定や、同じアドレスでもポートによって異なるプロトコルを使う場合があります。具体的な項目を確認して判断してください。
複数端末での設定共有
同じサブスクリプションや接続設定を複数のデバイスで使い回す管理方法です。クライアントアカウントや自動クラウド同期が必須とは限りません。接続情報を共有できても、ルーティング、DNS、待ち受けポート、権限の設定までそのまま使えるとは限りません。デスクトップとAndroidではトラフィックの取り込み方法を個別に確認してください。サブスクリプション提供元が同時接続台数を制限している場合は、利用条件に従って接続を管理しましょう。

DNS & NETWORK

DNSとネットワークの基礎

接続できること、ドメインを名前解決できること、目的のサービスにアクセスできることは、それぞれ異なる段階の結果です。テストでは、どの段階を測定しているかをまず確認しましょう。

DNS
ドメインをIPアドレスなどのレコードに変換するシステムです。名前解決の結果は、その後の接続やルーティングの判定に影響します。OS、ブラウザー、プロキシコアがそれぞれ別にDNSクエリを送る場合があるため、DNS設定を1か所変更しても、すべてのリクエストに反映されるとは限りません。トラブル時は、どこが名前解決を行い、どの経路で、どの上流DNSを使い、失敗時にフォールバックするかを確認してください。
FakeDNS
ドメインに合成IPアドレスを割り当て、ドメインと合成アドレスの対応関係を保持する仕組みです。後続の接続でドメイン情報を復元できます。合成アドレスは接続先サービスの実際のグローバルIPアドレスではなく、トラフィックの取り込み、アドレス範囲のルーティング、コアのマッピング機能と組み合わせて使う必要があります。有効・無効を切り替えた後も古い結果が使われる場合は、DNSキャッシュを消去するか、対象アプリを再起動してください。
DNSリーク
DNSクエリが想定した名前解決経路から外れ、意図しないリゾルバーに送られる状態です。判定する前に、どのDNSサービスを使う想定なのか明確にしてください。ブラウザーのセキュアDNS、システムによるフォールバック、アプリ独自の名前解決によって実際の経路が変わることがあります。検査サイトに見慣れない事業者名が表示されても、それだけで断定せず、上流DNSの運営元、クライアントのログ、具体的な設定をあわせて確認してください。
プロキシ経由の接続遅延
実際のプロキシ接続でテスト先にアクセスして計測する所要時間です。ICMP pingやTCP接続だけを測った結果とは意味が異なります。DNS、プロトコルのハンドシェイク、TLS、接続先からの応答が計測に含まれるかどうかは、クライアントの実装とテスト設定によります。比較する際は同じ接続先、同じ条件で測定してください。1回の計測が短くても、ダウンロード速度が速いとは限らず、すべてのサイトに接続できる保証にもなりません。